護摩山(ごまやま)の歴史

・弘法大師と護摩山

 結願の里(多和産直 結願の郷・天体望遠鏡博物館)の南側にある、美しい山が護摩山(標高433メートル)です。この山は、弘法大師ゆかりある山でもあります。

 昔、弘法大師が四国巡礼の際に、この地を通りました。その時に、護摩山が異様な光を発しながら鳴動し、地元の人たちが恐怖におののいているのを見て、弘法大師はこの鳴動を鎮めようと、護摩山へ登りました。そして岩場で護摩を焚き、麓の小庵(のちに一夜庵と呼ばれる)で一晩中祈り続け、鳴動を鎮めたそうです。

 また、弘法大師は、大窪寺を建立する場所を決めるにあたり、護摩山に登りました。東の朝空を眺めたところ、紫色の雲が広がり霊気に満ちているのを感じ「あれこそ天与の地」と言って喜んだそうです。そこで、現在の大窪寺の奥の院がある場所に「大窪寺」を建てたと言われています。

・新四国八十八ケ所

 護摩山の懐には、金刀比羅神社があり、そこから山頂へ続く山道に、四国八十八ヶ所霊場にちなんだ石仏があります。昔、四国八十八ヶ所霊場を巡れなかった人たちが、この護摩山にある霊場を巡り、ご利益を得ていたと言われています。香川県さぬき市内には、前山ダム公園や日内奥の院に、同じような「ミニ四国八十八ヶ所」があります。

■護摩山について こちらをご覧ください>『護摩山ハイキングコース』

<参考文献>

「改訂 長尾町史(下巻)」1986年 長尾町史編集委員会

「ふるさと長尾 歴史の町・新しい町・長尾」長尾町

護摩山近くにある「案内板」